シャンパーニュ滞在3日目パート2!! ボランジェです。

さて、昨日のボランジェです。100枚もの写真をお見せすることはできないので、やはりざっとご紹介いたします。
宿に迎えに来てくれたタクシーのお兄さんは、なんだかもう 「ジェームス・ボンド!!」

私が見たそうなところを過ぎるときは (マルヌ川を渡るときとか) ゆっくり走って写真が撮れるよう配慮してくれました!

アヴィズから10分ちょっとでメゾンに着きました。

この写真はちょっと自慢の一枚!ボランジェファンの方、壁紙にどうぞ!(笑)

ボランジェではプロのみの訪問を受けていて、2時間プライヴェートで説明してくれます。それはそれは熱心であたたかくて、気持ちのいいソニアさんが英語で丁寧に紹介してくださいました。
メゾンの近くにあるヴィエイユ・ヴィーニュ・フランセーズ (VVF) の畑!



有名ですね!ここシャンパーニュ地方ではフィロキセラ(寄生虫)が1889年に大流行し、ほとんどのブドウの木が枯死したと言われていますが、この畑にはその難を逃れたピノ・ノワールが植わっています。「どうしてフィロキセラの害にやられなかったのですか?」 と聞くと 「フィロキセラから守る方法は今のところ見つかっていません。実際、5年前に一つの区画がだめになりました。まだフィロキセラは存在しています。この場所はラッキーなのです」 とのことでした。
伸びた枝の一部を地中に埋めて2年後には新しい株ができるマルコタージュという方法で、すべての木は育てられています。よってアメリカの台木は使われていません。


そして醸造所へ。


ここは、第二次世界大戦中でも自転車で畑をまわり、ボランジェの発展に大きく貢献した有名な未亡人リリー・ボランジェの住まいだった場所の前の広場。洗った樽をずらっと並べて乾かす場所として使われています。


シャンパーニュ地方の立体地図。とてもわかりやすい!


樽醗酵中、澱を除く時に一時的に移し替えるためのタンク


そして今日の一番のお楽しみの場所がここ!! ボランジェにはシャンパーニュ地方でたった一人しかいない樽職人さんがいます。この日はその方はお休みでしたが、作業場を見ることが出来ました!! うれしい!!

新しい樽を作るよりも、ブルゴーニュから買い入れた古い樽を直す仕事のほうが多く、直す分量も面積が多いとワインの味わいに影響するので、すべてバーコードが貼ってあり樽ごとに管理されています。


壁にさりげなく007のポスターが!





樽を作る工程や、殺菌のため樽の中で硫黄を燃やす方法などなど、昔教科書で習ったことが目の前にあり、楽しい!
ヴィンテージ・シャンパーニュのためのワインはすべてブルゴーニュ産の樽で醗酵。でも新しくても5年たったもの。樽のタンニンが抜けたものを使います。古いものでは100年経っている樽もあるとのこと。


地下へ。

5キロあるカーヴはリザーヴワインと熟成中シャンパーニュがどこまでも続いています。ちょっと考えればわかることですが、ヴィンテージ・シャンパーニュを造るよりもノン・ヴィンテージを造るほうが手間がかかるし、むずかしいとのこと。
NV(ノン・ヴィンテージ)のためのリザーヴワインは、すべてマグナムで保存されています。マグナムのほうが、澱とワインが接する面積が大きくなるのと、酸化の速度がよりゆっくりなため。「ステンレスタンクだったら、調合するのも楽なんですけどね~」 とおっしゃっていました(笑)

ルミアージュはもう機械の時代だと思っていたら、ボランジェのヴィンテージ・シャンパーニュはすべて手で行われていました。それもたった2人で!ボトルの口を王冠で留めてあるNVは機械に入るけど、4年以上熟成させるためにはコルク栓でなくてはだめで、コルクだとサイズが大きすぎて機械に入らないとの理由でしたが、、。
手で回して約2か月半でルミアージュ(動瓶)を終えます。(機械だと2週間。やろうと思えばもっと早くできるけど、ボランジェでは2週間にしているとのこと)

ジェロボアム (普通のボトルの4倍のサイズ) のボトルもどこまでもずらっと並んでいるし、「それってきつくないですか?」 と尋ねると、「動瓶は毎日の作業ではないんですよ、酵母と液面の接触時間も大切だし必要な時だけ。」 とのこと。
あと、もっと驚いたのが、ヴィンテージ・シャンパーニュのデゴルジュマンもすべて手で行われているとのこと!「えー?だって、すごい本数あって大変じゃないんですか?」 と訪ねると、「手で行うと、香りを嗅げるんです、」 とにっこりしながらおっしゃいました!ボランジェってすごい!と心から感嘆、ぞくっとした瞬間でした。妥協していない。他の大手メゾンはどうなんでしょう。気になりますね、
樽はリサイクル&リフォームしまくりで、それも1人の職人がすべてケアしていて、動瓶も2人で、、、。もしやと思い、「デゴルジュマンは何人の方が?」 と尋ねると 「5人」(!) とのお答えでした。
その5人の方々にお会いしてみたい。

さぁ、ティスティング!この三本。







特にロゼが膨らみがあって美味しい!アイ村のコトー・シャンプノワが5%入っています。長いこと「ロゼってジュースみたい、」 と思っていた自分が恥ずかしい。
ロゼを造るセニエ法とブレンド法の違い、マリアージュ(ソニアさんはR.Dと熟成パルミジャーノの組み合わせほど美味しいものはない、と力説!)、など教えていただいて終了。
「今度はぜひ秋にいらっしゃい、収穫から、醸造まで見れて面白いですよー、」とおっしゃるので、「そんな大変な時期におじゃまさせていただけるんですか?実はいつか機械が実際に動いているところを見てみたいんです!うちの店のスタッフもみんな来たがります!」 と言ったらソニアさんの詳しい連絡先を教えてくださいました。
私自身お店にいて、ホスピタリティについて考えたりしますが、ここで本当のプロ中のプロの方にお会いできました。2時間のあいだ、ずっと熱心に気持ちを込めて説明してくださるそのお姿は私の大きな指針になりました。「こういう方が“ブランド”のソフト面を作っているのだなー、どんな規模であれ、やっぱり、“人”が大事だなー、」 と、深ーく感じました!!

007が有名で、勝手にイメージ戦略が強いメゾンの印象を持っていましたが、全く逆でした。職人集団で、アイ村とボランジェの歴史に強い誇りを持ち、プライドが高いからこそホスピタリティにあふれ(メゾンに到着したとき、受付の方が「喉が渇いていないですか?」と栓が開いていないヴィッテル“ガラス瓶入り”とグラスを持ってきてくれました。)
 
質の高さを真摯に追求しているメゾンでした!

カッコイイ!! 乗りたい人、買いたい人、たくさんいるはず(笑)